シュレッダーダストの植物繊維に含まれる細胞壁(セルロース)を、特別な酵素を用いて糖化し、さらに醗酵、蒸留させることでバイオ由来のエタノールを回収します。当社ではこれを日本初の取組として事業化に成功しました。
私たちがバイオエタノールの原料としているシュレッダーダスト(紙くず)は、本来無用であったものであり、都市部において安定して供給することができ、しかも従前の穀物由来のバイオエタノールとは異なり、食糧と競合しません。当社のバイオエタノール事業は、廃棄物・エネルギー・食糧などの環境問題を包括的に解決する可能性を秘めている、未来のための事業です。
99.5%の濃度まで蒸留したエタノールは、消毒液として人体に用いうる安全基準をもクリアしています。日本では、エタノールを燃料としてガソリンに3%まで混ぜることができ、これをE3ガソリンと呼んでいます。アメリカをはじめとした複数の国ではE10を使用するなど、環境意識の高まりから普及が進んでいます。
2012年8月、「マリアナ海溝の水深約1万900メートルに生息するエビの体内から、おがくずや紙などを高効率で分解する酵素を発見した」との新聞記事が掲載されました。この酵素を利用すれば、古紙から次世代燃料に期待されるバイオエタノールの原料を生産できる可能性があるのではないかと興奮し、サンウエスパがエネルギー事業に参入する将来を妄想したのを覚えています。そして2015年12月、それまで妄想してきた様々な構想がシナジーを生み、バイオエタノール事業は始動しました。