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2022.08.23
【サービス】カンボジアでバイオエタノール製造プラントを稼働開始

株式会社サンウエスパ(所在地:岐阜県岐阜市、代表取締役:原 有匡、以下「当社」)は、2022年5月カンボジア・コンポンチュナン州にてバイオエタノール製造プラントの稼働を開始したことをお知らせいたします。

掲載媒体:PR TIMES[ こちら

 

■ プラント建設の背景

カンボジアにある東南アジア最大の湖・トンレサップ湖に繁殖する世界最悪の害草のホテイアオイは、7ヶ月で200万倍にもなるといわれる繁殖力を持ち、その影響で湖を覆い、水上交通や漁業の妨げとなっています。

当社は、2017年6月より『未利用水生植物のバイオエタノール化に関する案件化調査』が途上国イノベーション枠としてJICAより採択を受け、カンボジアで1年に渡り実地調査を行ってきました。

その後、量産体制を構築するべく、プラントの建設に関して『令和2年度:ODA(政府開発援助)草の根・人間の安全保障無償資金協力を活用した官民連携案件』の採択を受け、カンボジア・コンポンチュナン州と連携して建設を開始、2022年4月に施工が完了し、5月に稼働を開始いたしました。

 

 

プラントの生産能力は日量55ℓであり、製造したエタノールは、水上生活者の必需品である発電機を動かす燃料や、消毒液への転用として活用し中長期では、現地の水上生活者のボート燃料として活用する小規模分散型エネルギーリサイクルの実現や、同様の被害に悩む熱帯アジアの他地域での水平転換を視野に入れております。

 

ホテイアオイとは>
南アメリカ原産の水草で世界の熱帯・亜熱帯域に生息し、国際自然保護連合種の保全委員会が作成した世界の侵略的外来種のワースト100に選ばれています。水の流れを滞らせることにより水上輸送の妨げとなり、また漁業にも影響を与えるなど世界中で問題となっており、さらに在来の水草を競争で排除する事態や水鳥や水性動物への影響も懸念されています。

 

 

■ 当社がエネルギー事業に参入する理由、カンボジアに進出する理由

当社は、古紙をはじめとする再生資源の回収および、その販売を主力事業としています。現・代表取締役が2011年に入社後、「どうすればおもしろくなるのか」「どうすればモチベーションが上がるか」を想像しながらリサイクルを学ぶと、目を向けるべきは「海外」ではないかと考えました。そして「不要なものを必要とする人のところへ運ぶのがリサイクルであるとすれば、日本で不要とされたものを、必要としているところへ運べばいい、それは途上国なのではないか」と思い至りました。

こうした海外事業構想と並行し、当社では国内のエネルギー事業も模索していました。きっかけは2012年8月、「マリアナ海溝の水深約1万900メートルに生息するエビの体内から、おがくずや紙などを高効率で分解する酵素を発見した」との新聞記事が掲載されたことです。この酵素を利用することで、古紙を原料としたバイオエタノールを製造することの可能性を感じました。そこで、国内で主に一般廃棄物として処理されている、難再生古紙であるシュレッダーダストに目をつけ、植物繊維に含まれるセルロースを糖化発酵させ、エタノールを製造する事業の実証を開始しました。

さらには、紙からエタノールを造るのとまったく同じ技術を用い、カンボジアに蔓延る害草ホテイアオイも、再生可能エネルギーに変えてしまえばいいのではないかと発想し、「カンボジア」「エネルギー」「リサイクル」の3つが繋がったのです。

 

 

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